EPISODE 1.03
SUMMARY
- イヴリン・ネイピアがトルコの外交官ケマル・パムークとともに狩りにやってくる。
- イーディスがマシューを観光に誘う。
- グウェンの「秘密の恋人」の存在が明らかになる。
- ベイツが足を治そうと器具を買う。
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CAST
Hugh Bonneville(玉野井 直樹):ロバート・クロウリー〈グランサム伯爵〉
Jessica Brown-Findlay(うえだ 星子):シビル・クロウリー〔三女〕
Laura Carmichael(坂井 恭子):イーディス・クロウリー〔二女〕
Jim Carter(中村 浩太郎):チャールズ・カーソン〔執事〕
Brendan Coyle(谷 昌樹):ジョン・ベイツ〔伯爵付従者〕
Michelle Dockery(甲斐田 裕子):メアリー・クロウリー〔長女〕
Siobhan Finneran(山本 留里佳):サラ・オブライエン〔伯爵夫人付侍女〕
Joanne Froggatt(衣鳩 志野):アンナ・スミス〔メイド長〕
Thomas Howes(茂木 たかまさ):ウィリアム・メイソン〔第二下僕〕
Rob James-Collier(三上 哲):トマス・バロー〔第一下僕〕
Rose Leslie(鈴木 美穂):グウェン・ドーソン〔メイド〕
Phyllis Logan(沢田 泉):エルシー・ヒューズ〔家政婦〕
Elizabeth McGovern(片貝 薫):コーラ・クロウリー〈グランサム伯爵夫人〉
Sophie McShera(中司 ゆう花):デイジー・ロビンソン〔スカラリー・メイド〕
Lesley Nicol(美々):ベリル・パットモア〔料理長〕
Maggie Smith(一城 みゆ希):ヴァイオレット・クロウリー〈先代グランサム伯爵夫人〉
Dan Stevens(佐藤 拓也):マシュー・クロウリー〔新跡継〕
Penelope Wilton(水野 ゆふ):イザベル・クロウリー〔マシュー母〕
・・・・・
Lionel Guyett:テイラー〔お抱え運転手〕
Theo James(杉村 憲司)ケマル・パムーク〔トルコの外交官〕
Roger Morlidge:矯正器を売った男
Brendan Patricks(斉藤 康史):イヴリン・ネイピア〔ブランクサム子爵息子〕
Helen Sheals:郵便局の夫人
Andrew Westfield:リンチ〔馬丁〕
(その他吹替)藤吉 浩二、居谷 四郎
・・・・・
脚本・原案:Julian Fellowes
プロデューサー:Nigel Marchant
シリーズ・プロデューサー:Liz Trubridge
監督:Ben Bolt
TIMELINE
1913年春先*1
MENTIONED CHARACTERS
クリプス
Cora: Shall I ring for tea?
Robert: No, not for me. I’m meeting Cripps at five. I’ll see you at dinner.
コーラ:お茶はいる?
ロバート:いや、いらない。この後5時にクリプスに会うんだ。また夕食で。
おそらく領地管理人。
ベイツの母
Hughes: Are you sure? You’re as white as a sheet.
Bates: It’s my wonderful complexion inherited from my Irish mother.
ヒューズ:大丈夫? シーツみたいに真っ白よ。
ベイツ:それは私の母から受け継いだ素敵な顔色ですよ。
リチャード・デ・ワレン司教
Edith: I wish we could talk a little more about you. What was it like growing up in Manchester?
Matthew: Does it say anything about the side aisle?
Edith: The side aisles were added in the 14th century by Bishop Richard De Warren.
イーディス:もっとあなたのことについてお話できたらいいのに。マンチェスターでの生活はどんな感じでした?
マシュー:側廊に関して記述はありますか?
イーディス:側廊は14世紀にリチャード・デ・ワレン司教によって増築された。
おそらく架空の人物。
TODAY’S DOG
書斎のロバートの脇に横たわっている
Robert: Did Mr Napier get off all right?
Carson: He did, my lord.
ロバート:ネイピア氏は無事出発したか?
カーソン:しました、旦那様。
TODAY’S TABLES
夕食
Violet: But why? I should far prefer to be a maid in a large and pleasant house than work from dawn till dusk in a cramped and gloomy office. Don’t you agree, Carson?
Carson: I do, my lady.
ヴァイオレット:でもどうして? 私なら大きくて快適な家でメイドとしているほうが、狭苦しくて暗いオフィスで夜明けから日の入りまで働くのよりずっといいわ。そう思わない、カーソン?
カーソン:そうです、大奥様。
TODAY’S PHRASES
なし
TODAY’S PLACES
ドンカスター
Mary: It’s from Evelyn Napier. You met him at the Delta Fields last November at Doncaster races.
Cora: Is that Lord Branksome’s boy?
メアリー:イヴリン・ネイピアからよ。去年の11月にドンカスター競馬のデルタ場であなたもあっているわ。
コーラ:ブランクサム卿のお子さん?
ヨークシャーにある競馬場
the York and Ainsty
Cora: And what’s he writing about?
Mary: Oh, nothing much. He’s out with the York and Ainsty next week. He’ll meet us at Downton. He’ll want some tea when he’s up here.
コーラ:なんのお手紙?
メアリー:特には。来週the York and Ainstyへ出かけるみたい。それでダウントンで会いたいそうよ。着いたらお茶をいただきたいみたい。
パブの名前か?
イーディスが案内する予定の教会
Edith: I’ll get Lynch to sort out the governess cart and I’ll pick you up at about eleven.
Anna: Which churches will you show him?
Edith: I can’t decide. Kirby, possibly, or perhaps Easingwold.
イーディス:リンチに二輪馬車を用意してもらって、11時に迎えに行く予定よ。
アンナ:どの教会へいらっしゃるのですか?
イーディス:決めてないわ。カービーかしら、それかイージングウォルドかしら。
どちらも架空の教会。
チェシャー
Matthew: Would you ever come out with me? Or aren’t we friends enough for that?
Mary: Oh, I think it might be—
Naipier: That run reminded me of a day last month up in Cheshire.
マシュー:一緒に〔乗馬に〕行きませんか? それともそこまでまだ親しくない?
メアリー:いや、私が思うに――
ネイピア:あの走り方は先月のチェシャーでの一時を思い出すよ。
イングランド北西部の州。
イスタンブール
Mary: He treated all of us when we were children. You know how the English are about these things.
Pamuk: The next time you feel a twinge, you must come to Istanbul.
メアリー:彼〔歯医者〕には私達が幼い頃から見てもらっているの。ご存知でしょ、イングランド人がその手のことについてどうしているかは。
パムーク:次に歯痛に襲われたときは、イスタンブールに来るといい。
ブリストル
Anna: Oh, milady, I thought—
Mary: Carson and I were just making sure that everything was shipshape and Bristol fashion.
アンナ:失礼しましたお嬢様、ただ*2――
メアリー:カーソンと私で全てが整理整頓 されているか確認していただけよ。
「shipshape and Bristol fashion」で「万事整頓されて」の意がある。
もともとは船に関係する言葉で「〈船体・船具が〉よく手入れされて」の意。
ブリストルはイギリス西部の港町。
HISTORICAL EVENT
アルバニアの独立
Cora: Apparently he’s bringing a friend with him, an attaché at the Turkish embassy, Mr Kemal Pamuk. He’s a son of one of the sultan’s ministers and he’s here for the Albanian talks.
Mary: What’s that?
Edith: To create an independent Albania. Don’t you read the papers?
Mary: I’m too busy living a life.
コーラ:どうやら彼はお友達も連れてくるみたい。トルコ大使館の外交官、ケマル・パムーク氏。彼は王様 の大臣の息子で、イギリスにはアルバニアの件で来ているらしい。
メアリー:何の件?
イーディス:アルバニアの独立を成し遂げるためよ。新聞読まないの?
メアリー:人生を生きるのに忙しすぎるの。
20世紀に入った時期の欧州は主に三国協商側のイギリス、フランス、ロシアと三国同盟側のドイツ、オーストリア、イタリアの間で二分裂が起きていた。この両者の思惑が複雑に入り組んだ地域がバルカン半島であった。
1908年オスマン帝国で青年トルコ人革命が発生、
このアルバニアの独立の問題のためにパムークらオスマン帝国の外交官らがイギリスにやってきて、結果1913年5月のロンドン条約によってアルバミアの独立が承認されることとなる。
クロムウェル
Matthew: Was the screen at Cromwell casualty?
Edith: I daresay.
マシュー:ステンドグラスはクロムウェルの虐殺を?
イーディス:おそらくは。
オリヴァー・クロムウェルは17世紀のイングランドの政治家。
ここでの虐殺とは1649年のアイルランド侵略にともなうドロヘダでの虐殺。
CULTURAL REFERENCE
エンパイア・ワン
グウェンが隠し持っていたタイプライターはWilliam Manufacturing Company製のEmpire 1のようである。
レクイエム
Robert: Home is the hunter home from the hill.
ロバート:家とは狩人が丘から家に帰る場所だ。
狩りから帰ったメアリーにロバートが言うこの言葉はロバート・ルイス・スティーヴンソンの詩『レクイエム』の最終二行の引用。
この詩は彼の墓碑に刻まれている。
Under the wide and starry sky,
Dig the grave and let me lie.
Glad did I live and gladly die,
And I laid me down with a will
This be the verse you grave for me:
Here he lies where he longed to be;
Home is the sailor, home from sea,
And the hunter home from the hill.
※アルフレッド・エドワード・ハウスマン(1859-1936)の『拾遺詩集』22番「R. L. S.」の冒頭にも「Home is the sailor, home from sea.」が登場するが、これはタイトルからも分かる通りスティーヴンソンの詩を受けて書いたもの。また『拾遺詩集』は彼の死後出版されたものであるためロバートが知るはずはない。
参考
トロロープ
Evelyn: It was like something out of a Trollop novel.
イヴリン:まるでトロロープの小説から飛び出してきたかのようだった。
アンソニー・トロロープ(1815-82)は小説家。 イヴリンがどの作品のことを指しているかは不明だが、『Hunting Sketch』のことだろうか。
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オーロラ姫
Robert: Mary has more suitors tonight than the Princess Aurora.
Violet: Will she judge them sensibly?
ロバート:今夜のメアリーはオーロラ姫よりも求婚者が多い。
ヴァイオレット:分別を持ってメアリーは判断できるかしら?
オーロラ姫は『眠れる森の美女』に出てくる王女。
デラ・フランチェスカ
Pamuk: Is this picture really a Della Francesca?
Mary: I think so. The second earl brought back several paintings from—
パムーク:この絵は本物のデラ・フランチェスカのもの?
メアリー:そう思うわ。第二代伯爵が何枚か絵を買って帰ってきた――
ピエロ・デラ・フランチェスカはルネッサンス時代初期のイタリア人画家。
『ダウントン・アビー』に何度か彼の絵は登場するが、今回登場したものは、本物でないような情報が多い*3。
COMMERCIAL MUSIC
なし
FILMING LOCATION
自転車に乗ったマシューがやってくる
Matthew: Hello. I’d offer you a lift if I could.
Edith: It was you I was coming to see.
マシュー:こんにちは。できることなら乗せていってあげたいよ。
イーディス:あなたに実は会いに来たの。
矯正器具のお店
Bates: Does it work?
Prosthetist: Well, as I make it and I advertise it, is it likely I'd say no?
ベイツ:治るのか?
技師:私が作って宣伝して、治らないなんて言うか?
イーディスが案内する教会
不明。Bampton村にある教会かもしれないが、後のエピソードに出てくる内観と比べると異なるように見える。
矯正器具を捨てる池
Hughes: Good riddance!
ヒューズ:せいせいした!
ハイクレア城北側の池(A)。
ミスター・ベイツとミセス・ヒューズの背後に見える建物BはTemple of Diana。
MISCELLANEOUS
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