EPISODE 1.06
SUMMARY
- 補欠選挙の演説会場をシビルがロバートに無断で訪れる。
- パムークの一件がヴァイオレットの耳にも入る。
- ウィリアムの母の病状が悪化するが、彼女は息子に知られたくないと言いはる。
前回:Episode 1.05
downton-crawley.hatenablog.com
CAST
Hugh Bonneville(玉野井 直樹):ロバート・クロウリー〈グランサム伯爵〉
Jessica Brown-Findlay(うえだ 星子):シビル・クロウリー〔三女〕
Laura Carmichael(坂井 恭子):イーディス・クロウリー〔二女〕
Jim Carter(中村 浩太郎):チャールズ・カーソン〔執事〕
Brendan Coyle(谷 昌樹):ジョン・ベイツ〔伯爵付従者〕
Michelle Dockery(甲斐田 裕子):メアリー・クロウリー〔長女〕
Siobhan Finneran(山本 留里佳):サラ・オブライエン〔伯爵夫人付侍女〕
Joanne Froggatt(衣鳩 志野):アンナ・スミス〔メイド長〕
Thomas Howes(茂木 たかまさ):ウィリアム・メイソン〔第二下僕〕
Rob James-Collier(三上 哲):トマス・バロー〔第一下僕〕
Rose Leslie(鈴木 美穂):グウェン・ドーソン〔メイド〕
Phyllis Logan(沢田 泉):エルシー・ヒューズ〔家政婦〕
Elizabeth McGovern(片貝 薫):コーラ・クロウリー〈グランサム伯爵夫人〉
Sophie McShera(中司 ゆう花):デイジー・ロビンソン〔スカラリー・メイド〕
Lesley Nicol(美々):ベリル・パットモア〔料理長〕
Maggie Smith(一城 みゆ希):ヴァイオレット・クロウリー〈先代グランサム伯爵夫人〉
Dan Stevens(佐藤 拓也):マシュー・クロウリー〔新跡継〕
Penelope Wilton(水野 ゆふ):イザベル・クロウリー〔マシュー母〕
・・・・・
Robert Bathurst(丸山 荘史):アンソニー・ストララン卿
Kate Bowes Renna:やじ
Greg Hobbs:やじ
Jamie de Courcey:自由党候補
Mark Kelly:暴漢
Allen Leech(T・ラック):トム・ブランソン〔お抱え運転手〕
Gerard McDermott:長官
(その他吹替)広田みのる
・・・・・
原案:Julian Fellowes
脚本:Julian Fellowes / Tina Pepler
プロデューサー:Nigel Marchant
シリーズ・プロデューサー:Liz Trubridge
監督:Brian Percival
TIMELINE
1914年5月
MENTIONED CHARACTERS
フリントシャー候爵/候爵夫人
Carson: I have received a letter, my lady, from a friend of mine. He’s valet to the Marquess of Flintshire.
Cora: I don’t envy him.
Carson: Lord Flintshire is a minister at the Foreign Office.
Cora: As you know, Lady Flintshire is His Lordship’s cousin.
カーソン:私宛の手紙を受け取りました、奥様、ある友達からです。彼はフリントシャー候爵の従者です。
コーラ:大変でしょう。
カーソン:フリントシャー卿は外務大臣です。
コーラ:知っての通り、フリントシャー夫人は、閣下のいとこよ。
ダイアモンド
Mary: What kind of car is it?
Anthony: It’s an open Rolls Royce, and I wondered if you might like a spin in it.
Mary: Oh, how kind. But alas, not today. I’ve had Diamond saddled and he’s waiting for me.
メアリー:どんなお車ですか?
アンソニー:ロールス・ロイスのオープンカーですよ、よければドライブしませんか?
メアリー:おお、ご親切に。悲しいことに別の日にしましょう。もうダイアモンドに鞍をつけて待たせているのです。
馬の名前。
アビーにいる馬で名前が確認できるのは、今の所1.05話でシビルとグウェンを乗せたドラゴンのみである。
モード・ストララン
Anthony: She used to say that Kaiser Bill loved uniforms and medals, but he never really connected them with fighting.
Edith: What was she like?
Anthony: Maud? Oh, she was awfully funny. Some people couldn’t see it, but she was.
アンソニー:彼女は、ヴィルヘルム二世は軍服と勲章を愛したが、それらを戦争と結びつけることはしなかった、と言っていた。
イーディス:どんな方でした?
アンソニー:モードが? おお、彼女は非常に面白い人だった。そう理解できない人もいたが、そうだった。
リンチ
Mary: Is Lynch anywhere about?
William: Oh, I haven’t seen him, milady.
メアリー:リンチはどこへ行ったのかしら?
ウィリアム:見かけておりません、お嬢様。
ダウントン・アビーの馬丁。
メイソン夫人
William: Me mother wanted me to have a chance of bettering myself.
ウィリアム:母は私により優れた機会があってほしいと望んでいました。
スーザン・フリントシャー/ヒュー
Cora: But who’s it from?
Violet: Susan Flintshire.
Cora: What does she say?
Violet: Well, prepare yourself for the worst. Not the first page. My poor niece never uses one word when twenty will do. Start there. “I’m sorry...”
Cora: “I am sorry to have to tell you that Hugh has heard a vile story about your granddaughter Mary...”
コーラ:でもどなたから?
ヴァイオレット:スーザン・フリントシャー。
コーラ:何と書いてありますか?
ヴァイオレット:最悪の事態を覚悟するのね。最初は飛ばして。気の毒な姪は1語で済むことを20語で記すから。「お気の毒に…」から始めて。
コーラ:「お気の毒にお伝えしなければならないのは、ヒューがお孫さんのメアリーの卑劣な噂を耳にしたということです。」
上に出てきたフリントシャー候爵夫妻。
立候補者
Announcer: The Honourable Joseph Gerald Antsy for the Conservative and Unionist Party: 6,363 votes. Martin James Dillon, for the Socialist Party: 2,741 votes. Trevor Andrew Morgan, the Liberal Party...
アナウンサー:保守党のオナラブル・ジョセフ・ゲラルド・アンツィ:6,363票。社会党マーティン・ジェームズ・ディロン:2,741票。自由党トレヴァー・アンドリュー・モーガン…
どれも架空の人物と思われる。
TODAY’S PHARAOH
またいない?
TODAY’S TABLE
夕食
Robert: I gather you went to hear the Liberal candidate today?
Sybil: There were several speakers, actually. He was the last.
ロバート:今日は自由党候補者の演説を聞きに行ったそうだね。
シビル:演説者は何人もいたわ、本当に。彼は最後の人だった。
TODAY’S PHRASE
なし
TODAY’S PLACE
カレンダー=ベケッツ
Anthony: No, I’m not really here at all, but I was driving past your gates on the way to the Callender-Becketts, and I thought I’d take a chance.
アンソニー:いや呼ばれていませんが、カレンダー=ベケッツへ行く途中にここ門をくぐって、ちょうど良い機会だと思ったのです。
不明。
HISTORICAL EVENTS
エミリー・デイヴィソンの死
Speaker: Last June saw Emily Davison crushed to death beneath the hooves of the king’s horse! Will the summer of 1914 prove as fatal for the hopes of women?
演説者:昨年6月、エミリー・デイヴィソンが国王の馬の蹄の元へ飛び込み亡くなったのを目撃した! 1914年の夏は女性の希望にとって致命的になるのではないでしょうか?
エミリー・デイヴィソン(1872-1913)は
Emily Davison: Suffragette Killed by King's Horse at Derby (1913) | British Pathé
当時の政党情勢
Robert: I daresay the Townies will make the usual stink when the Tory candidate’s returned.
ロバート:あえて言うのであれば、都会の奴らは保守党が戻ってきたと知るといつもの騒ぎを起こすのだろう。
1914年のヨークシャーでの補欠選挙という条件に当てはまる選挙は発見できなかったが(おそらく架空)、第30議会の議員は、自由党が第一党であったが、過半数には届いていない状況で、そこに保守党が続いていた。
政党 | 議席数 |
---|---|
Liberal | 272 |
Conservative | 219 |
Irish Unionist | 16 |
Irish Parliamentary Party | 74 |
Liberal Unionist | 34 |
Labour | 42 |
Independent Conservative | 1 |
All-for-Ireland League | 8 |
Irish Unionist Party | 2 |
Independent Nationalist | 1 |
Independent Irish Nationalist | 1 |
女性参政権
この話を見ての通り、当時のイギリスの女性には全く選挙権がなかった。そのため上記のエミリー・デイヴィソンのような婦人参政権を求めて活動する人もいた。
実際に女性が条件付きで選挙権を獲得するのは1918年であり、男女ともに21歳以上の全ての人々に対する普通選挙権を得ることができるのは1929年のことであった。
君塚直隆『物語イギリスの歴史 下』(中央公論、2015年)143頁に詳しい有権者条件は記載されている。
ヴィルヘルム二世
Anthony: She used to say that Kaiser Bill loved uniforms and medals, but he never really connected them with fighting.
Edith: What was she like?
Anthony: Maud? Oh, she was awfully funny. Some people couldn’t see it, but she was.
アンソニー:彼女は、ヴィルヘルム二世は軍服と勲章を愛したが、それらを戦争と結びつけることはしなかった、と言っていた。
イーディス:どんな方でした?
アンソニー:モードが? おお、彼女は非常に面白い人だった。そう理解できない人もいたが、そうだった。
ヴィクトリア女王の娘と結婚したドイツ皇帝フリードリヒ三世が彼女との間に設けた息子。在位は1888-1918年。
CULTURAL REFERENCES
ベリーニ/プッチーニ/ロッシーニ
Anthony: You know. Bellini, Puccini, Rossini. I’m not up to anything complicated.
アンソニー:ご存知でしょ、ベッリーニ、プッチーニ、ロッシーニとか。小難しいものならお誘いしませんよ*2。
三人ともオペラ等で知られる19世紀のイタリア人作曲家。特にプッチーニは幕末の長崎を舞台にした『蝶々夫人』などその方面に詳しくない人でも曲名は聞いたことあるというものが多い。
眠れる森の美女
Patmore: What’s wrong with you? You’re always dozy, but tonight you’d make Sleeping Beauty look alert.
パットモア:どうしたの? いつも眠そうだけれど今夜は眠れる森の美女に警戒を怠らせないような顔つきだね。
言わずとしれたヨーロッパの民話。
ブランソンの読む本
Robert: You should see what he reads. It’s all Marx and Ruskin and John Stuart Mill.
ロバート:彼が何を読むか知っておいたほうが良い。全てマルクスやラスキンやジョン・ストュアート・ミルだ。
カール・マルクス
カール・マルクス(1818-1883)は、言わずとしれたマルクス主義の思想家。著書は『資本論』(1867)など。
ジョン・ラスキン
ジョン・ラスキン(1819-1900)は、美術評論家。晩年には「芸術と社会の関連から社会問題、経済問題に取組んだ」*3そう。いったいブランソンはどの本を読んでいたのだろうか。
ジョン・スチュアート・ミル
ジョン・スチュアート・ミル(1806-1873)は、イギリスの思想家。自由主義。著書は『自由論』(1859)、『女性の解放』(1869)など。
COMMERCIAL MUSIC
なし
FILMING LOCATIONS
演説会場
Isobel: I applaud your spirit in coming, and I will applaud your discretion when you leave!
イザベル:演説会場を訪れたあなたの心持ちを称賛しますし、この場を離れたらその思慮深さも称賛します!
ブランソンの運転でシビルが帰る道
Sybil: What do I look like? Could you sneak me around the back? I should hate for Papa to see me like this.
シビル:どんな風に見える? こっそりと裏口に連れて行ってもらえる? こんな姿をお父様に見られたくないの。
おそらくハイクレア城の周辺。
アンソニーとイーディスのドライブ
Anthony: She used to say that Kaiser Bill loved uniforms and medals, but he never really connected them with fighting.
Edith: What was she like?
Anthony: Maud? Oh, she was awfully funny. Some people couldn’t see it, but she was.
アンソニー:彼女は、ヴィルヘルム二世は軍服と勲章を愛したが、それらを戦争と結びつけることはしなかった、と言っていた。
イーディス:どんな方でした?
アンソニー:モードが? おお、彼女は非常に面白い人だった。そう理解できない人もいたが、そうだった。
背景に見えることからハイクレア城周辺だが、どのあたりの道かは不明。
開票会場の外
Branson: I have to park the car. Don’t move. Stay where you are!
Sybil: Really, Branson, I thought I gave the orders.
ブランソン:駐車してきます。動かないで、その場にいてください!
シビル:いいこと、ブランソン、私が支持を出す人だと思っていたわ。
マシューの事務所の外
Isobel: Well, what were you doing there?
Matthew: I was working late. I’d forgotten it was election night or I wouldn’t have stayed.
イザベル:あそこであなたは何をしていたの?
マシュー:残業さ。選挙の夜ってことをすっかり忘れていて、さもなくば遅くまでいなかったよ。
コーラの居間?
Violet: In this case, Mary has the trump card.
Cora: What?
Violet: Mary is family.
ヴァイオレット:この場合、メアリーには切り札があるの。
コーラ:それは何です?
ヴァイオレット:メアリーは家族の一員よ。
通常、外観同様にダウントン・アビーの地上階の内観もハイクレア城で撮影されているが、ここで使われたのはWest Wycombe Park*4の一室。
下のサイトでは『刑事フォイル』『クランフォード』などで使われた同室の場面が掲載されている。
periodpiecesandportraiture.blogspot.com
MISCELLANEOUS
オープニングの変化
これまでオープニングの3カット目のサルーンのベルが映る場面*5に効果音はなかったが、これ以後入るようになる。